前回に引き続き、しっかりと勉強して行きましょう。
人生の中で、この3~5階を、いかに長く効果的に活用できるかどうかが、日々の生活だけではなく、生涯を通じた豊かさに大きく影響してきます。
まだ挑戦されていない方は、3階から順番に進めていきましょう。とにかく、今すぐ始めるのです!
今回のポイント
- 地上3階:ふるさと納税
- 地上4階:iDeCo
- 地上5階:新NISA
地上3階:ふるさと納税(生活支出を減らすことから始めましょう)
「ふるさと納税」は、2008年にスタートした節税の大きな柱となる制度です。
正確には、「都市集中型社会における地方と大都市の格差是正・人口減少地域における、税収減対応と地方創生を目的とした寄附金税制。法律で定められた範囲で地方自治体への寄付金額が、ご自身で支払う所得税や住民税から控除される」ものです。
少し語弊があるかもしれませんが、簡潔に言い換えますと、「支払う予定の税金を節約して、その分で返礼品をいただき、おいしい思いをしちゃいましょう」ということです。
しかしながら、このふるさと納税は、全納税人口の約16%(1人当たりのふるさと納税実施額は約10万円)と、浸透率がまだまだ低いのが現状です。現段階で活用できている方は、それだけ日常生活における支出を小さくでき、それ以外の貯蓄や資産運用に余分に回せるということです。(この後に説明する4・5階部分の資金準備に邁進されている方にも朗報ですよね)
地上4階:iDeCo(老後対策・抜群の節税効果)
「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、2001年にスタートした年金制度の1つです。
正確には、「自分で資金を拠出して運用し、資産形成する年金制度です。税制上の優遇措置があり、長寿社会に対応する資産形成方法として有効ですが、運用商品や受給条件に一定の制限がある」もので、制度上仕方がない事ではあるのですが、メリットとデメリットが共に大きいため、新NISA以上に慎重に考えて活用しなければ、日常生活を犠牲にすることにつながりかねません。
iDeCoと新NISAの違いについては、以下の表.1をご覧ください。何と言っても、「原則60歳まで引出不可」であり、住宅の購入資金や子育てに使うことは難しそうです。
その意味で、老後を明確にイメージできるようになって来る40代以降の方や、年収が多い等の理由で大きな税制優遇を受けられたい方にはオススメです。
地上5階:新NISA(若い方は、iDeCoよりもこちらを優先!)
「新NISA」は、2024年にスタートした非課税の資産運用制度です。
2種類あった旧NISA制度の上位互換となったことから、資産運用界隈ではもの凄い盛り上がりを見せており、多くの方に資産運用への扉を開いた「神」制度であることは確かなようです。
よって、これまで特定口座で運用されていた資産の引越を検討されている方も、これから積立運用を始められる方も、チャンスを最大限に活用するため、すぐに新NISA口座を開設されることをオススメ致します。
第1章でご説明した1・2階部分をしっかりと準備されている方であれば、こちらの5階部分は年間限度額の360万円まで埋めていただいて問題ありませんが、このようなことができる方は、既に十分な資産をお持ちか?年収が高い人に限られると思います。
そうでない方は、決して無理されることなく、少額でも良いので「毎日・毎月継続すること」が大切です。積立を頑張りすぎて、毎日の生活が苦しくなってしまったり、それにより体調を崩してしまっては何にもなりません。また、他の方と競争する必要も全くありません。
表.1 iDeCoと新NISAの違い
制度 | iDeCo | 新NISA | |
---|---|---|---|
対象年齢 | 原則20~65歳 | 18歳以上 | |
年間投資枠 | 14.4~81.6万円 (働き方や勤務先の制度による) | 360万円 (つみたて:120万円/成長:240万円) | |
非課税保有限度枠 | 制限なし | 1,800万円 | |
対象商品 | 各金融機関が選択した 投資信託・定期預金等 | 積立・分散に適した投資信託等 上場株式・ETF・REIT等 | |
節税メリット | 積立時 | 全額所得控除 | なし |
運用時 | 運用益は非課税 | 運用益・配当共に非課税 ただし、一部例外あり(外国税) | |
受取時 | 退職所得控除・公的年金等控除 | 損失に対する通算等はなし | |
引出制限 | 原則60歳まで引出不可 | 制限なし | |
こんな方にオススメ | 老後資金を準備したい方 税制優遇を受けたい方 | 将来のライフイベントに向けて コツコツと準備したい方 |
※青字はメリット、赤字はデメリット
最後に
いかがだったでしょうか?
人生を良い方向に変えていく方法というのは、実はとてもシンプルで、出来る限り早い段階から、「できる限りのふるさと納税」→「ライフプランに合わせてiDeCoか新NISAの積立」というのが、現代の王道となっています。今回の文章を読んでいただき、少しでも興味を持っていただけることを祈っています。
次章では、地上6階より上と、地下部分についてご説明しますのでお楽しみに。