お金を稼ぐためには、働くことが一番です。
しかし、働くことが忙しくて家庭やプライベートを犠牲にしてしまったら、経済的自由とは言えません。
この記事では、FIREも可能になるかもしれない、経済的自由を手にいれる方法について、FPがわかりやすく紹介していきます。
この記事を書いた人
sakubunsensei
Webライター
「役に立つ情報を中立の立場で発信します!」
新潟大学・経済学部経済学科卒業大手流通チェーンの財務部で就労後、出産を機に退職。子育てをしつつ教育業界に転職後にFP2級の資格を取得。企業での講演会やライターとしての執筆を通じ、老後資金や教育資金の形成に関した情報を発信しています。
【主な保有資格】
・FP2級
ライターの詳しい情報は、プロフィールをご確認ください。
経済的自由とは
経済的自由とは、お金の心配をせず、自分の望む生活を送ることができる状態をいいます。
一生遊んで暮らせるような貯金があったり、十分な不労所得を得られたりする人が味わえます。
働くことでさえ自由に選択できるので、生活の質の向上や人生の充実につながります。
生まれながらに、経済的自由を得ている人もいます。
しかし、自分の努力でも経済的自由を得られやすい時代になっています。
FIREとは
FIREは、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字をとったもので、「経済的な自立と早期の退職」を意味します。
単なる早期退職ではその後の収入はなく、貯蓄や退職金を取り崩した生活となります。
しかし、FIREでは投資での運用益を得ながら生活できるので、経済的自立を確保できます。
退職前に投資や副業で資産を形成しておき、その後は投資による不労所得で生活していく方法が一般的です。
現代における、わかりやすい経済的自由の形となっています。
経済的自由を手にいれる方法
経済的自由を手にいれる方法について、順を追って説明していきます。
- 元手を確保する
- 少しでも増やせる方法でキープする
- 本格的にスタートする
① 元手を確保する
自分の手で経済的自由な状態を得たい場合には、元手になるお金を確保することが必要です。
それには、以下の2つの方法が考えられます。
入ってくるお金を増やす
元手になるお金を確保するためには、得られる収入を増やすことが必要です。本業の他に副業を行うことや、スキルアップや転職をして給料を上げることで収入を増やせます。
使うお金を減らす
元手になるお金を確保するためには、使うお金を減らすことが必要です。食費などの変動費ではなく、光熱費や通信費、保険料などの固定費を賢く下げる工夫をしましょう。
ストレスが溜まると、散財しがちになります。せっかく貯めた元手をムダ遣いしないよう、副業も節約も無理ない範囲で行うようにしましょう。
② 少しでも増やせる方法でキープする
元手になるお金を確保したらその都度、少しでも増やせる方法でキープしましょう。
それには、以下の2つの方法が考えられます。
金利の良い銀行に預ける
現在のゆうちょ銀行における普通預金の金利は、0.100%です。しかし、ネット銀行では、0.3%以上の金利で預けられる場合もあります。少しでも金利の良い銀行を探して預けるようにしましょう。
小額で投資にチャレンジしてみる
元手になるお金の一部で、投資にチャレンジしてみる方法もあります。本格的な投資を行う前の練習にもなります。ただし、投資に失敗して元手が減る可能性があることが、最大のデメリットといえるでしょう。
③ 本格的にスタートする
準備が完了したら、いよいよ経済的自由を手にいれる方法を、本格的にスタートしていきます。
「投資」は経済的自由を手に入れる最善の方法
経済的自由を手に入れる方法として、もっともおすすめなのは「投資」です。
投資をすすめる理由
経済的自由を手にいれる方法として投資をおすすめするのには、次のような理由があります。
貯蓄よりお金を増やせる可能性がある
投資にはリスクがあるので、「絶対に」とは言い切れません。
しかし、銀行にお金を預けるよりは、早く大きく資産を増やせる可能性があります。
お金に働いてもらうことで、自動的にお金を増やせるのです。
雪だるま式に資産を増やせる
投資には、得られた利益が更なる利益を生み出す「複利効果」があります。
出た利益が利益を生み出していくので、雪だるま式に増やすことが可能です。
長期にわたって取り組むほどお金が増えやすくなるので、早めにスタートすると利益をより大きくできます。
国も投資を推奨している⁉
NISAやiDeCoといった非課税制度の利用を、国が推奨しています。
2024年からは、これまで以上に使い勝手が増した新・NISAもスタートしました。
欧米に比べて、投資をしている人の割合が低い日本です。
しかし、これからの時代は、自分で資産を形成する時代となっているのです。
投資の基礎知識を身につけよう
投資をするためには、投資の基礎知識を身につけておくことが必要です。
- 利回りの相場
- 複利
- 時間
利回りの相場を知っておこう
投資をするには、代表的な投資における利回りの相場を知っておきましょう。
2004年に100万円の元手で投資を開始し、2023年までの20年間保有していた場合の増え方を検証してみます。
現金
まずは、現金です。
銀行にも預けずに手元に置いておくだけの場合、当然ですが1円も増えていません。
現金:100万円(2004年)⇒100万円(2023年)
株式投資
短期的な相場の上下はありましたが、長期間で見た場合には大きな利益を上げていました。
とくに、外国株式の伸びが顕著になっていました。
日本株式:100万円(2004年)⇒340万円(2023年)
外国株式:100万円(2004年)⇒720万円(2023年)
債権
株式に比べて増え方は緩やかですが、安定して利益を得られていました。
株式と同じく、外国債券の増え方が大きくなっています。
日本債券:100万円(2004年)⇒130万円(2023年)
外国債券:100万円(2004年)⇒220万円(2023年)
外国不動産投資
海外の不動産物件は、日本では考えられないほどの上昇を見せていました。
そのため、大きな利益を得ることができています。
外国不動産投資:100万円(2004年)⇒510万円(2023年)
金投資
純金の価格は、毎年過去最高額を更新しています。
それに伴い、純金に投資する金投資で得られる利益は、非常に大きくなりました。
100万円(2004年)⇒670万円(2023年)
これらの増え方には、購入時の手数料や税金などが考慮されていません。
しかし、手数料や税金を引いたとしても、大きなリターンを得ることができるのです。
投資は複利がポイント
複利とは、金融商品の運用で得た利益を元本にプラスして再投資し、さらに大きな利益を得続ける方法です。
最初の元金のままで運用する「単利」に対して、より一層多くの利益を得ることができます。
例えば、元本100万円を年利10%で1年間運用した場合、単利も複利も運用の結果は110万円になります。
しかし、翌年には単利の元金は100万円のままですが、複利の元金は110万円です。
その元金に利子が付くので、2年目が終了するときには、単利の運用結果は110万円、複利の運用結果は121万円となるのです。
投資は時間もポイント
複利の例でもわかるように、投資は時間が長ければ長いほど、多くの利益を得ることができます。
先ほどの複利の場合、2年目が終了するときに121万円だった残高は、翌年末には約133円、5年目の末には約161万円にもなるのです。
ですから、できるだけ早い時期から始めることが、FIREへの近道になります。
具体的な投資手法
では、具体的な投資方法について、詳しく説明していきたいと思います。
JPモルガンでは、今後10~15年間の成長率を予想した「超長期予想レポート」を発表しています。
利率に関しては、これを参考にしていきたいと思います。
出所:JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社「2021 Long-term Capital Market Assumptions」より
株式投資
株式で投資をする場合には、証券会社で口座を開設することが必要です。
そして、資金を証券口座に入金したら、買いたい株を選択し購入します。
持っている株が寝上がったタイミングで売却することで、差額の利益を得られます。
また、保有していることで「配当金」や「株主優待」などを得ることができます。
期待リターンに関しては、日本株5.1~5.4%、米国株式は為替ヘッジなしで2.7~3.2%となっています。
さらに、新興国株式は5.8%と、非常に高くなっています。
債券
企業が発行している「社債」や、国や地方公共団体が発行している債権を購入して、利息と元本の支払いを受けます。
債権で投資する場合にも、株式投資と同じように証券会社で口座を開く流れになります。
期待リターンに関しては、日本債券0.4%、先進国債券が0.3~0.4%となっています。
株式に比べても低めですが、新興国は3.8~4.2%と高めの設定です。
不動産投資
自分でアパートやマンションなどの不動産を購入し、人に貸し出して家賃収入を得ます。
また、リート(REIT)という方法もあります。
リートは、投資家が出資した資金で不動産に投資し、そこから得られた利益が投資家に還元される金融商品です。
株式のように証券取引所で売買されていて、証券会社で取引が可能です。
残念ながら、日本に関しての予想がありません。
しかし、米国REITは5.1%、米国を除いた海外が5.7%となっています。
リスクとリターンの関係
リスクを、「危険」という意味だと思っていませんか、
しかし、リスクとは「危険の生じる可能性」のことです。
そして、投資におけるリスクは、リターンが変動する幅をあらわしています。
さらに、リターンには利益だけではなく損益も含まれます。
ハイリスクとは、大きな収益を上げる可能性があるが、大きな損失を被る可能性もあるということです。
一方で、ローリスクとは、大きな収益は期待できないですが、大きな損失が出る可能性は低いということです。
自分のリスク許容度を把握しよう
「ハイリスクの投資か?」「ローリスクの投資か?」を選ぶ前に、自分のリスク許容度を把握しておきましょう。
リスク許容度とは、損失があったときに、自分が耐えられる度合いのことです。
大きな損失が現実になった場合に、自身の生活や将来に大きな損失を与えないかどうかを考えます。
自分の資産状況を把握して、投資を賢く行うようにしましょう。
まとめ
まだ投資をスタートしていない人は、「すぐにやりたい!」とあせってしまうかもしれません。
しかし、何の知識も持たずにスタートすると、失敗する可能性が大きくなります。
自分に合うものをじっくり検討し、そして投資を学習し、小額からチャレンジするようにしてみましょう。