フラット35は、日本の住宅ローン市場でよく利用される長期固定金利型のローン商品です。返済計画が安定する点が人気ですが、メリットばかりではありません。一般的な住宅ローンと比較して金利が高めであったり、借入条件があるなどデメリットもあります。
この記事では、フラット35の利点と欠点を具体的に比較し、どんな方に適しているのかを解説します。賢く住宅ローンを選び、将来の生活を安心して過ごせるように準備しましょう。
この記事を書いた人
みやへい
Webライター
「住まいと暮らしに役立つ情報をお届け!」
累計150万PVのブログ「みやへい不動産」を運営。普段は大手の不動産管理会社に勤務しながら、ブロガー兼ライターとして活動中。ブログでは、お部屋探しから入居中のお悩みごと、退去費用のトラブルにいたるまで、本業で得た知見をアウトプットしています。
【主な保有資格】
・ファイナンシャル・プランニング技能士2級
・宅地建物取引士
ライターの詳しい情報は、プロフィールをご確認ください。
フラット35とは?
フラット35は、独立行政法人住宅金融支援機構と金融機関が提携して提供する住宅ローン商品で、長期固定金利である点が大きな特徴です。このローンを利用すると、最長35年間、借入時に決まった金利が変わらず、返済額も固定されます。これにより、景気や金利の変動に影響されることなく、計画的な返済が可能です。
また、通常の住宅ローンよりも頭金が少なくても利用できる場合があり、初めて住宅を購入する方にも適した商品といえます。
ただし、フラット35には一部の条件や利用制限があるため、メリットとデメリットをよく理解することが大切です。
フラット35のメリット
フラット35のメリットは、主に以下の3点です。
- 長期固定金利で返済計画が立てやすい
- 金利の上昇リスクがない
- 一定の条件を満たせば頭金不要
以下で順番に解説します。
①長期固定金利で返済計画が立てやすい
フラット35の最大の魅力は、長期固定金利であることです。借入時の金利が返済期間中ずっと一定で、金利が上がるリスクがないため、将来の収入に不安がある方や、安定した返済を望む方に向いています。
また、元利均等支払いの場合は、毎月の返済額が一定のため、家計の予算を組みやすく、支出が予測しやすい点も安心です。
②金利の上昇リスクがない
フラット35は、変動金利のように金利が市場に左右されないため、景気変動による金利上昇のリスクがありません。
変動金利は、市場金利が低い場合はメリットがありますが、将来的に金利が上がると返済額も増える可能性があります。
一方、フラット35は借入時の金利が固定されているため、長期にわたって安心して返済を続けられます。金利変動の影響を受けたくない方や、安定を重視する方には大きなメリットです。
③一定の条件を満たせば頭金不要
フラット35は、住宅購入時にかかる頭金を抑えられる点も魅力です。
一定の条件(収入や購入物件の評価、金利の上乗せなど)を満たせば、頭金がゼロでも利用が可能です。これにより、まとまった資金がなくても住宅を購入できる可能性が広がります。
頭金を用意するのが難しい方や、手元資金を他の用途に充てたい方にとっては、フラット35は非常に使いやすいローンといえます。
フラット35のデメリット
フラット35には魅力的なメリットがありますが、一方で以下のデメリットも考慮する必要があります。
- 一般の住宅ローンに比べて金利が高め
- 繰り上げ返済手数料がかかる場合もある
- 借入金額の上限がある
それぞれ見ていきましょう。
①一般の住宅ローンに比べて金利が高め
フラット35は固定金利型であるため、一般の変動金利型住宅ローンに比べて金利が高めに設定されています。
これは、長期にわたる金利変動リスクを見越しているためです。
その結果、変動金利が低い時期には、変動型ローンの方が毎月の返済額を抑えられるケースもあります。長期的な支払い総額が増える可能性があるため、総返済額を重視する方には注意が必要です。
②繰り上げ返済手数料がかかる場合もある
フラット35では、繰り上げ返済をする際に手数料が発生する場合があります。
繰り上げ返済とは、ローンの一部または全部を前倒しで返済することです。通常の住宅ローンでは無料で繰り上げ返済が可能なものもありますが、フラット35では返済の形態や金融機関によって手数料が異なるため、返済プランをよく確認することが重要です。
頻繁な繰り上げ返済を検討している場合は、手数料の有無やその金額に注意しましょう。
③借入金額の上限がある
フラット35には借入金額の上限が設定されています。これにより、物件価格が高いエリアや高額な住宅を購入する際には、希望する金額をすべてローンで賄えない場合もあります。
大きな物件や高価格帯の住宅を購入したい方は注意が必要です。借入可能な金額と物件の価格をよく確認してから選ぶようにしましょう。
フラット35を選ぶべき人の特徴
フラット35は、将来の金利上昇リスクを避けたい方や安定した返済計画を望む方に適しています。
たとえば、給与が固定されている方や、将来の支出予測を明確にしておきたい方にとっては、長期固定金利のフラット35が安心です。
また、まとまった頭金を用意するのが難しい方にも向いており、初めて住宅購入をする方や、住宅ローンのリスクを最小限にしたい方にもおすすめです。
まとめ:フラット35のメリット・デメリットを理解して、最適な住宅ローン選びを
フラット35は、長期固定金利で返済計画が安定しやすい点が魅力ですが、一般の住宅ローンに比べて金利が高めであったり、借入額に制限があったりと、デメリットもあります。
将来の収入に不安がある方や、安定した返済を希望する方には特に適した選択ですが、ローン総額や繰り上げ返済手数料についても事前に調べて、よく検討することが大切です。
フラット35の特性を理解し、自分に合った住宅ローン選びに役立ててください。