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【体験談】賃料とか敷金とか更新料とか……

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本記事は、実際の経験を元にした体験談です。読者の皆様の参考となれば幸いです。

デット

体験談を投稿してくださったのは、ハンドルネーム:彦左さんです。執筆していただき、ありがとうございました。

目次

賃貸物件の賃料の引き上げ

賃貸物件は「最終的には返さなければいけない家だから」と考えると、あまり自由にできないこともありますよね。

壁に画びょうでカレンダーやポスターを貼るぐらいならともかく、壁掛け型のテレビをつけようとしたら壁の強度を調べて金具を打ち付けて……気分はホームシアターになっても、撤去するとなったらそのお金もかかります。

自分は何をしてよくて、何をしちゃいけないのか、というのは、賃貸借契約書や重要事項説明書など、入居するときにもらう紙に決められたりもしているので、ちゃんと目を通すようにしましょう

って、思って読み直してみると、不思議だなぁ、と思うところもいくつか。

例えば賃料。

市場実勢の変動に合わせて貸主(大家)は借主(僕)に賃料の引き上げを求めることができる。借主はその求めに応じて誠実に協議する

周囲の賃料が上がってきたら、大家は賃料を「上げてほしい」といえるし、僕はそれに対して「ちゃんと」協議しなければいけない。

彦左

……周囲の賃料が下がったら、僕から「賃料下げてよ」っていうのは、ダメなの?

賃料の引き上げは、たまに不動産屋から連絡が来ることもありました。

だいたいは「嫌です」というと話が終わっていましたが、ある時「ちゃんと考えてほしい資料を送る」と言われたことがありました。

届いたのは新聞記事のコピー。

「都内のマンション価格上昇・賃貸物件も」という見出しで、「市場実勢がこのように上がってきているので相応の見直しをしたい。3か月後から5,000円上げるね」というお手紙、そして賃貸借契約書のコピー(該当部分にはご丁寧に蛍光ペン)。

あ、本気なのね。

僕も返信を作ると、マンションの「管理人室」のポストに投函しました。

  • 記事で書いてある賃料の上がりそうな地区って中央区や港区、品川区。
    僕の住んでいるエリアは足立区じゃん(記事に蛍光ペンを引いて同封)。根拠にならなくね?
  • 契約では貸主に賃料引き上げの交渉権があることになっているけど、借主に賃料引き下げの交渉権がないのは不当では? 次回の契約更新時に法的な見解を付記して良いでしょうか。

それに対する返信はもらわないまま、半年後に僕は結婚して退去することになりましたが。

賃貸物件の更新料は違法?

契約更新といえば、「賃貸の更新料は違法」という話もありますね。

これは、自分の家ではなく勤務先の店舗の賃貸借契約を管理していた時の話ですが、平成22年に「更新料は無効という判決が出た」というので、さっそく経営部門から「今後、沈着店舗の更新料は支払わないように交渉すること」というお達しが出ました。

とはいえこっちも商売させてもらっている身だから、あまりオーナーさんにハードネゴしたくないよなぁ、と思ってよく調べてみると。

更新料は、不動産関連の法律で決められているものではなく、賃貸借契約の中の条項として任意に決められているものです。

そして、それには地域性もあり、京都以外の関西地区では「更新料なし」という物件が多い。その代わり、敷金が高かったり、賃料が高かったりするのです。

また、判例も高裁でも有効/無効が分かれているので、「それ、無効判決が出たから更新料撤廃の交渉をしよう!」といっていたら、「港区の賃料が上がるから足立区の賃料も上げよう」といっているオーナーと同じレベルになってしまう。

最終的には平成23年に最高裁の判例が出て「極端に高くなければ有効だし、貸主・借主が合意できていればいい」という統一がされました。

その中にあったのは「更新料が家賃の補完になっている側面もある」。

例えば、本当は賃料14万円にしたい物件を賃料12万円として、2年ごとに2ヶ月分の更新料を払う、としておくと、「ちょっと安めな物件」と見せて募集でき、大家としての収入も維持できるわけです。

なんかずるいな。

敷金と保証金

更新料を請求されるのは嬉しいものではありませんが、敷金や礼金や中途解約時の違約金も「賃料の何か月分」と賃料ベースで算出されることが多いから、賃料自体が安いのは、いいのかもしれません。

敷金といえば、物件によっては「保証金」という言い方をしている場合もありますね。

敷金、保証金で差はありません。

一説には「敷金は原状回復費用の担保、保証金は家賃滞納対策の担保」といわれることもありますし、「敷金は賃貸借契約の一部、保証金は金銭消費貸借契約の一部」といわれることもあるみたいですが、法律上の区分けが明確なわけでもありません。

ただ、保証金の場合は「敷引き」「償却」といって、「退去時に10%減額して返還する」と決められている場合があります

例えば、

「敷金10万円」の場合、退去時に原状回復でまったくお金がかからなければ10万円返ってきますが、

「保証金10万円・退去時に10%償却」となっていると、退去時には最大9万円しか返ってきません。

かつ、いずれであれ「原状回復費用を差し引く」と書かれている場合もあります。

自分の借りている部屋の経済条件がどうなっているか、こういう目線で見直してみると、面白い発見があるかもしれません。

※必ずご確認ください※

本記事は、執筆者の知識と経験に基づいてポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも強要するものではありません。こちらに記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、執筆者・発行体は一切責任を負いかねます。投資・資産運用等における最終決定は、必ずご自身の判断で行ってくださいますようお願い致します。

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