本記事は、実際の経験を元にした体験談です。読者の皆様の参考となれば幸いです。
体験談を投稿してくださったのは、ハンドルネーム:彦左さんです。執筆していただき、ありがとうございました。
住宅ローンの後悔
住宅ローンを見比べていると、たまに後悔の念にとらわれるものがあります。
「疾病保障付き住宅ローン」
僕が住宅ローンを借りた15年前ぐらいはまだ銀行が取り組み始めたばかりのもので、よく分からなかったのでつけなかったのです。
住宅ローンは35年間という長期にわたる借金です(今は40年とか50年とか借りられる銀行もありますが)。
その間には病気や事故で亡くなるケースもあるでしょう。そのために大抵は団体信用生命保険(団信)の加入を必須としています。
団信とは一種の生命保険で、保険料は原則として銀行が負担し、ローンを組んでいる人が亡くなった場合はその保険金で住宅ローンを完済するというものです。
遺された家族は家を失うことも借金を負うこともありません。
ただ、持病があったりして生命保険に入れない人は、団信にも入れないので、つまり家も買えないということになります。
団信の中には、借りる人が保険料を負担して加入できるものもあるので、銀行に相談してみるといいと思います。
それに加えて「疾病保障付き」というのもあります。
たとえば、「2人に1人はガンになる」といわれる一方で「今やガンは治せる時代」。
治っちゃうんですよね。
治るのはいいんですが、そのあとに病気前と同じぐらいバリバリに働けるかというと、なかなかそこまでは回復しないものです。
それに、そこから何年かは通院もするでしょう。
収入が下がる一方で、治療費は残る、住宅ローンも残る。
死んだわけじゃないから団信はおりない。
こんなときに、「ガンと診断された時点で住宅ローンを完済する」というのが、疾病保障というものです。
ガンだけではなく脳卒中や心筋梗塞なども含め、三大疾病とか八大疾病とか、いくつかのパターンがあります。
その内容に応じて、住宅ローンの金利が0.1%~0.3%程度、上乗せになりますが、返済額にすれば(モデルケースとして3,700万円を35年間で返す場合)毎月2千円~5千円の上乗せです。
死亡しなくても、数千万円の借金がチャラになる掛け捨て保険だと考えると、これはお得でしょう。
それに、一般的に生命保険は年齢が上がるとともに保険料も上がりますが、住宅ローンの金利で考えると年齢が上がると(=返済が進むと)残高が減るから保険料も下がることになります(返済額自体は変わらないから、気持ちの問題ともいえますが)。
そんな話を先輩としていたときに、「お前、何歳まで生きるつもり?」といわれました。
僕
「平均年齢から逆算すればと、あと40年ぐらいは生きるんでしょうけれども、僕の家系はけっこう早いですね。血圧高めの体質でポックリしやすいんです」
先輩
「長く生きて働くつもりなら、保障がついていた方が安心だろ。例えば脳卒中で就労制限が2ヶ月かかったらローン完済になる、ってのがお前向きじゃないか。まぁ本当にポックリするつもりなら、保障を付けなくても普通の団信で返すんでいいんじゃないか」
僕
「団信で返すって……」
先輩
「そのための団信だろう。住宅ローンを借りた全額、給料で返そうと思わなくていいんだよ。団信も疾病保障も、“いざというときの伝家の宝刀”みたいに思われているけど、宝物みたいに“使わない”とは思わないで、“どういうときは使おう”というつもりで考えればいいのさ」
目から鱗でした。
たしかに、自分の年収から返すことばかり考えていました。
疾病保障は、借り入れをするときにしかつけられません。
あの頃も「金利が〇%高くなりますがお勧めですよ」というのを「住宅ローンと生命保険のセット売りだろ。金利が高くなるならいいや」といって聞きもしませんでしたが、今から思えば後悔です。
これから住宅ローンを組もうとしている人は、疾病保障についてはよく話を聞いた方がいいと思います。
「生活が苦しいから団信で返そう」とは思っちゃだめですよ。
そのまえに銀行か、「いのちSOS 0120-061-338」に相談してみてください。